大判例

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東京地方裁判所八王子支部 昭和41年(ワ)601号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕被告は昭和四一年一月一日訴外藤田一雄方で夜半まで同人らと麻雀賭博をして敗け、藤田一雄に対し、金七〇万円を支払うこととなつたが、かねてから「金はなくても貸すから」という藤田一雄の誘いでこれまでにも数回参加したことがあつて、支払未了の貸金債務を負つていたのであつて、このときも支払いの用意なく誘われるまま実印のみ持参して出向いていたので、賭博終了直後の一月二日その席上で藤田一雄から七〇万円を借受けたこととして、支払いに一〇間の猶予を得て、藤田一雄の要求に従い、所在の手形用紙を使用し、金額七〇万円、支払期日同年同月一二日の本件手形一通を振出し、右債務支払担保のため藤田一雄に交付したことが認められ、証人藤田一雄の証言および原告各本人尋問の結果中、右認定に反する供述部分は措信しない。右振出交付のとき受取人欄が白地であつたことは当事者間に争いがない。

右認定事実によつてみれば、右貸金契約は博奕に賭けた金銭の支払い債務に基づいた準消費貸借契約であつて、基本債務とともに公序良俗に反し無効というべきである。そしてかかる公序良俗の無効行為を原因として振出された約束手形に、振出行為自体絶対無効と解するのが相当である。(立岡安正)

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